休職のさせ方で、復職の成功率が決まる

皆さんの会社でも、メンタル疾患による休職者がいらっしゃるかもしれませんが、その方が休職に入るまでのいきさつを思い出してみてください。
うつ病の場合ですが、徐々に勤怠が乱れ、ある日会社に来れなくなり、最初は有給を使いますね。それと前後して診断書が人事部に届き、
結局本人と顔を合わせずに、そのまま休職に入ってしまった、
こんなケースは無かったでしょうか。

休職とは、企業が命令として出すのが本来の姿で、
従業員からの『願い』や『届け』で行われるものではありません。
会社と従業員の間に交わされた労働契約を満たす体力が無くなったので、
会社に来ないでください、お給料は出せませんから、
という意味で用いられる制度です。
まず、これをしっかり頭に入れてほしい。
ですから、きちんと本人の顔を見て命令を出せないくらい
悪くなってから行動に及んではダメだということです。

次に、休職させる本来の意義ですが、
その人がきちんと療養することによって
また、元の体になって戦力として復帰してくれることです。
それは建前で、『これを機会に、やめてもらった方がいいや』などと
もし、ほんのちょっぴりでも思うのであれば、
その会社は、採用能力を疑われるべきでしょう。
この人に働いてもらいたい!と、心から感じた人を採用したのであれば、
その人が、病気で戦線離脱するとき
『必ず元気になって帰ってきてくれよ!と思うことでしょう。
不景気で、体調不良を理由に(表立った理由としてはNGですが)
退職を迫られるメンタル不調者も居ると聞きます。
心が痛みます。

さて、休職に入るときの手順ですが、皆さんの会社では標準化されていますか?
徐々に休みがちになって、そのまま休職してしまう、というダラダラ休職では
治って出てくるときのイメージを作れないため、
復職がうまくいかないことが多いのです。
休職してもらう時は、必ず本人と会社の合意が無くてはなりません。

具体的には、産業医、本人、上司、人事部で
休職~治療~復帰のプランを立てて、それを目標としてもらうのです。
暗闇の中でじっとしているより、立てたプランに従って
自分は治るのだ、と考える方が、本人にとって、いいに決まってます。

休職してもら時は、休職の手引きを渡して説明しましょう。
休職の手引きに記しておきたいポイントは、下記の通りです。

1.導入部分(あいさつ)
2.休職の期間と理由
3.休職の間の給与や手当について
4.休職中にも支払わなくてはならない保険料等有る場合は、記載
5.休職中の、会社との連絡について(連絡を取る人、連絡の間隔、連絡方法、その他)
6.主治医での診察・治療の報告義務
7.休職時の制限・禁止事項(海外旅行やパチンコでトラブルにならないために)の取り決め
8.リワークについて(会社がどこまで関わるか)
9.復職に関すること(復職は、復職判定員会において判断される)
10.復職しても、同種の病気で再度休職する場合には、休職日数が通算されること
11.万が一休職期間が満了になっても、休職自由が消滅してない場合の措置について

特にお金に関する部分は重要で、
休んでいても、社会保険の自己負担分は支払ってもらうこと、
受け取れる手当があること、など、細かく具体的に書くことによって
本人に安心して療養してもらえます。

復職判定員会のことも、休職に入るときに話したメンバーで
また集まることを言っておけば、ショックを与えずに済みます。

リワークや、復職判定員会については、またの機会に書きますね。

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