パワハラ加害者の心理と、その対策

どうしてメンタルヘルスケアのコンサルタントが
パワハラの話を?と言われることもありますが、
メンタルヘルスケアの3つの要(カナメ)である
相談体制、健康意識の向上、職場環境の整備のうち、
パワハラは、職場環境を大いに乱す代表選手であるからして
私は、コンサルティングの中にも
必ずパワハラ防止、対策の項目を含めています。

パワハラを受けて自殺したり、うつ病になったりした社員が
労災認定を受けるケースが急増していることは、よくご存じでしょう。
裁判で敗訴し、実名が公表され、企業ダメージは相当なものです。
翌年度の新卒の応募は、まず諦めなくてはなりませんし、
内定辞退も・・・。
既存社員のモラールダウンも避けられませんね。

さて、<%名前(姓)%>さまの職場にはパワハラ、ありますか?
また、ご自分の職場には無くても、
他部署や他社で見聞きしたことは無いでしょうか?

パワハラを含む多くのハラスメントには、
加害者に加害者意識が低い、という特徴があります。
自分の子供に虐待を加えておいて、
『しつけのつもりでやった』と平気な顔で言う親と同じで、
部下の人格を平気で傷つけておいて
『教育、指導のつもりでやった』とおっしゃる人がほとんどです。

もちろん、意識して行う人もいますが、少数派です。
多くのパワハラ加害者は、
『え?なんか私、悪いことしました?』という態度です。

どうしたら、職場からパワハラを含むハラスメントを
なくすことができるのでしょうか?

私は、『本気で、組織ぐるみの防止』をしたいのであれば、
研修や相談窓口の設置をする前に、
まずは、この問題について話し合うことが先決と考えます。
社員の理解なしに、研修を行っても、
窓口の設置を行っても、思うような効果は出ないでしょう。

・一体、パワハラとは何か?
・どういう場合に起きやすいのか?
・放置した場合、周りのみんなや、取引先、顧客に与える影響は?

なについて、短時間でいいから話し合うのです。

そのうえで、研修や相談窓口を設置すれば、効果が出ます。
相談窓口なんて、形ばかりだよ・・・
研修なんてしても、なんだか現実味を感じられないまま終わってしまう・・・
そうお嘆きのあなた!

年に一度でも『パワハラ防止週間』などを設けて、
職場の話し合いを促進してみませんか?
そして、部門ごとにレポートを出してもらい、社内で発表します。
別に集まってもらって発表会をするわけではなく、
イントラや社内報で十分でしょう。

悪者探しや、対症療法ではなく、
パワハラが企業に与える本当のリスクを、
社員全員で考えてもらうのです。
ちょっと手間はかかりますが、お金はかかりません。
(しいて言えば、話し合っている間の社員の人件費がコストとなりますが)

私は、これが王道だ信じています。
たとえば、広告宣伝費であれば、
去年、このような広告を出して、このくらいの反応がありましたので、
今年も同額を申請します、とか、増額してもいいでしょう、とか
ある程度実績で言えますね。

しかし、メンタルヘルスケアというと
初めて申請する企業では、過去の実績うもないし、
説得材料が少なくて、いかんともしがたい!
という惜敗の弁をよく耳にするのです。

まず話を整理すると、メンタルヘルスケアを行う理由はなんでしょう?

大義名分を作らないと。

ここを人事で、しっかり話し合っていただきたい。
ここがブレたり、はっきりしなかったりすると、上手な企画書や
プレゼンテーションはできませんよ。
私のコンサルティングでは、まずこの話し合いから始まるんです。

私は大きく分けて下記の4つに集約されると思っています。

1.法令順守(コンプライアンス)
2.CSR(公器としての企業の社会的責任)
3.労務リスクマネジメント
4.生産性の向上

本当は、4が一番大きいはずですが、説得材料としては弱すぎます。
1と3を全面に押し出した企画書を作成すると成功率が高くなります。
私は、実際コンサルティグの場面で
次年度の予算取り資料の作成支援をいたしますが、
ここに、法律のことや、労災、企業賠償のことを盛り込めば、
かなり効果的な資料ができます。

1の法令に関しては、ありとあらゆる側面から法律を調べ、
自社にグレー(もしくはブラック)な部分があれば、羅列します。
ホワイトにするための費用を割り出し、明記していきます。
ここではおもに、産業医や健康診断、過重労働者面談などの件が
語られることになるでしょう。

上場企業であれば、2のCSRも有効です。
CSRに関しては、企業ランキングも出されていますが、
上位の企業は、すべて従業員の健康管理に敏感なところばかりです。
明確な方向性を持ったメンタルヘルスケアは、
株主対策としても一役買うことを、企画書に記載するのを忘れないようにしましょう。

3は、言わずと知れた労災リスクや、企業が被る賠償リスクですが、
自社が、その立場に立ったことがない場合、
意外と知らん顔の役員も少なくありません。
そんな場合は、資料で疑似体験してもらいましょう。
過労死、うつ自殺で労災認定、賠償責任も負わされた事例なら腐るほどあります。
これを新聞記事、グラフ、あらゆるデータを集めて羅列します。

そして、最後は『メンタルヘルスケアを怠れば生産性が下がります』という話ですが、
これが、なかなか数字にしづらい部分ですね。
そこで、私は、『メンタルヘルスケアをしない場合の損失額計算シート』というのを作成してコンサルティング先に利用してもらっています。

ご希望の方は、問い合わせ画面より『計算シート希望』と送ってください。
PDFで差し上げます。
プレスリリースしたら、なかなか好評でしたよ。

大義名分をしっかり話し合って予算取りまでこぎつけたい!とお考えでしたら、
ぜひ、私どものコンサルティングをご検討ください。
いやというほど、話し合ってもらいますよ(笑)

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