企業の人事担当者から、よく聞かれる質問として、
『産業医は、精神科/心療内科じゃないとダメですか?』というのがあります。
どうなんでしょうね。
良く考えれば、そんなに難しい質問ではありません。
そもそも、どうして担当者の方はそんな質問をなさるのかと言えば、
精神疾患による休職や復職のことで苦労したからだと思われます。
また、そのような経験が無くとも、
想像しただけで、精神の専門家が必要だ、と考えてしまうのかも。
でもちょっと待って下さい。
産業医の、本来の業務を理解していれば、
内科で十分だということが理解できます。
むしろ、内科の方が望ましいと、私は思ってます。
体のことも重要ですからね。
従業員の精神疾患による休職・復職を失敗なく進めるには、
主治医と本人(家族)と、人事部の連携が欠かせません。
緊密に連絡を取り合い、タイミングを調整し、
本人のより良い復職を目指して、一緒にゴールインするための連携です。
ところが、厄介なことに、この3者は、それぞれの使用言語や流儀が違うため、
なかなか意思の疎通がうまくいかないのです。
本人の病状そのものではなく、各プレイヤーのちぐはぐな動きが
復職を失敗させている例を、私はイヤというほど知っています。
そこで、各国語を理解し、通訳できる人、それが産業医なのです!
主治医に、どんな薬でどんな治療をしていて、
復職にはどんな注意が必要なのかを聞き、
そして本人には、今どんなことが不安で、
どのような状況であれば仕事ができそうか確認し、
それらを総合して人事部にアドバイスを与える。
これが本来の産業医の仕事です。
産業医が、素晴らしい通訳として活躍してくれれば
復職は難しいものではありません。
もちろん、それには、しっかりとした企業ごとの
休職~復職プログラム(ポリシー)が定められていることが前提である、
というのは言うまでもありませんが。
え?そんなにいい産業医いたら教えてよ!ですって?
だったら、こちらをご覧くださいませ。