ハラスメントの中でも、主にパワハラ防止のための考え方として、
上司が部下に業務命令や指導する際、
「人格についてあれこれ言うのではなく、
部下の行動にフォーカスして指導しましょう」
というのがありますよね。
つまり、遅刻した部下に対して
〇「遅刻はダメだぞ!みんなが迷惑するじゃないか。」
×「遅刻するなんて、たるんでるぞ。気持ちが弱いからだ!この腰抜けが!
まったく、親の顔が見たいよ。一流大学出てるくせに!」
余りにもわかりやすい例で、すみません(笑)
ただ、これを研修などでお話すると・・・
「人格と行動って、分けられるんですか?」
「行動は、人格が生み出すものじゃないですか?」
という意見を頂くことがあります。
__c20__さん、どう思いますか?
その人の行動は、その人の人格が大きく影響している、
これは、誰もが否定できないと思います。
では、人格とは何か。
辞書で引くと、いろいろ出てますが、
育ちや学びで、その人が得たいろいろなものが影響する
その人独自の考え方、カラー、性格、タイプ、みたいなものですよね。
とすると、その人の行動は、やはり人格無くしてあり得ない、と。
私も、そう思います。
ただ、「職場でのパワハラを無くそう」という観点に立って考えると、
人格と行動がつながっていることは認めつつも、
人格にまで踏み込まない、というのが望ましい、ということでしょうね。
私も、初めて会った人に対しては、
その人の言動で、その人を丸ごと嫌いになることはあり得ます。
しかし、普段から付き合っている人の場合、
(もしくは、付き合わざるを得ない人=職場のメンバーとか)
「あの人も、ああ見えて、悪いところばかりじゃないのよね。」
という気持ちになることは、あります。
ですから、部下を持つ方は、
人格のことまで言及せずに、行動を変化させる、
という方法をとる方がよろしい、ということかもしれませんね。
部下にしたって、
「親の顔が見たい」
「だからB型は」
「ボケ!」
と言われても気分が悪いだけで、どうしたらいいかわかりませんよね。
「Aというやり方を、Bに変えてください」
「5じゃなくて、10までお願いします」
「Xだとお客さんも困るから、Yで行ってみよう!」
など、なるべく客観的な行動変容で指導できるといいですね。