企業の社会的責任(CSR)としてのメンタルヘルスケア

警察庁が、2009年から月別の自殺者数の速報を出すようになりました。それによると、3月、4月と連続で3,000名を超えています。この分では、また年間3万人の壁を破ることはできないのではないかと案じています。自殺者のうちで、男性は3分の2を超えています。すべてがうつ病を直接の原因とする自殺ではないものの
その率は極めて高いと考えられています。借金や病気が原因だとしても、それを強いストレスに感じてうつ病を発症し、その結果として自殺に結びついているのではないかと。

借金とういのも、原因は職を失ったことが多いと思います。負の連鎖ですが、働いている時にうつ病を発症し、休職・復職を繰り返してもやはり元通りにならず退職。そういう人が、スムーズにまた再就職できるとは思えません。結局お金に困り借金、そして生活苦や自分を責める気持ちからうつ病になる・・・というスパイラルが想像できます。このスパイラルを断ち切るには、景気の回復はもちろんのこと
国民みんなが、正しいうつ病の知識を持つことだと思うのです。早期発見・早期治療で治る病気だということ、重症化すれば自殺してしまう病気だということをもっともっと広く知ってほしいと思います。

その意味で、企業の負う責任は小さくないと思います。通勤時間を含めれば、相当長い時間を職場というものに使っているのが普通の人です。ですから、職場が原因とか、私生活が原因とか言わず知識を与える場として、職場を利用するのは間違っていないと思います。学校でも、職場でも、多くの人が集う場所で普通の知識として、心の健康問題を少しだけ教えることはもはやCSRを超えた、常識となってほしいものです。

コラム

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