これからのメンタルヘルスケアは、二次予防に照準を合わせて

みなさんは、一次予防、二次予防、三次予防という言葉、
聞いたことがありますか?

メンタルヘルスケアに興味のある方ならば、
一度は耳にしたことがあるかもしれませんね。

これは、もともと予防医学の用語です。

一次・・・健康な人が病気にならないようにすること

二次・・・不調気味の人が、相談・受診できる体制があること

三次・・・病気で休業した人が、スムーズに社会復帰できる体制があること

これを、メンタルヘルスケアに当てはめてみると・・・。

一次・・・継続的なメンタル教育と、健康的な生活

二次・・・適切な相談体制と、医療体制の完備

三次・・・復職プログラムの整備

となりますね。

長年コンサルティングの現場にいてわかったのは、
三次、二次、一次の順番で取り組むのがいいかな、
ということです。

今、休職している人には、当然復職があるわけですから
まずそこを整える。
これは最初にやらないと、企業リスクが小さくなりません。
三次は、ルール作りが主になります。

また、心身ともに健康な人たちに対する一次予防は、
一番最後でいいでしょう。
もちろん、時間とお金が潤沢に使える企業であれば、
健康増進のためのプログラムを
全社員に提供するのは結構なことです。

となると、復職プログラムを整えた後、
手を付けるべきなのは、二次予防ではないでしょうか。

長時間労働者、
体調不良の人、
あと少し負荷がかかれば、
メンタル疾患を発病するかもしれない
高ストレス者、といった人たちのあぶり出しです。

そして、その人たちに対して
発病させないための施策を当てていくのです。

みなさん、頭の中で三角形を描いてください。
もちろん、実際紙に書いても結構です。

三角形の頂上の、ほんの小さな部分は休職者です。
平均して1~1.5%といったところでしょうか。

そして、下から3分の2程度のところに横線を引いてください。
そこから下は、まるで何の心配もない健康な人たちだとします。

となると・・・
それに挟まれた20%くらいの人々が、
グレイゾーンということになります。

これが、みなさんの会社の中で
10%なのか、30%なのか、
それは、調べてみなくてはわかりません。

しかし、ここにアプローチするのが
一番確実に、御社のメンタルヘルス状況を
向上させるツボだということは、
なんとなみなさんも、理解なさるのではないでしょうか。

もう休んでしまっている人は仕方ない。
ルールを整えて、トラブルを起こさないように
順調に復帰していただくまでです。

健康な人にまで、やたらに時間とお金を使って
健康増進をする余裕はない。

となれば、やはりターゲットは
このグレイゾーンではないでしょうか。

次回は、グレイゾーンのあぶり出し方と、
そこに対する施策について書きますね。

お楽しみに!

もうすぐそこまで春が来てるはずなんですが、
まだ朝晩寒いですね。

ご自愛ください。

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