うつからの復職は、
不調者取扱いの流れの中でも、
最も難しく、かつ慎重さを求められる場面ですね。
皆さんも、できるならば体験したくない、
と思っていることでしょう。
私のオススメのやり方は、
本人からの復帰の意思表示と、主治医の診断書提出
↓
産業医が本人や家族と面談
↓
人事が、本人や家族と面談
↓
上司も交えて、みんなで復職判定会議
↓
復職決定
↓
リハビリ開始
↓
フォロー・定着
という感じでしょうか。
面談も難しいが、
判定も難しそうだな〜、とお考えでしょうね。
そうです、会社の姿勢や方針が決まってなければ、
面談だって、どちらの方向に持ってくのか、悩みますよね。
悩みすぎて、人事の人が不調になったら困ります。
私たち、医学の素人にとって、
病気が治ったのかどうか、なんてわかるはずありません。
産業医が判断する?
それは無理です。
主治医だって、業務に対して○%のパフォーマンスを
保証する、なんて言えないんですから。
ましてや、治療を行っているわけでもない産業医に
判断を迫るのは、コクというもの。
ではどうするか。
ここは、スッキリと、
「業務の遂行ができるか、できないか」を
先に、会社で判断しましょう。
産業医や主治医には、
いま職場に戻して、病状が悪化しないかどうか、
を助言してもらうようにすればよいのです。
先に、医師の判断を仰ぐから、ぐらつくのです。
いいですか、順番が大切ですよ。
まず、遅刻せずに毎日会社に来れて、
定時から定時まで、
従前の仕事(お給料分の仕事)ができるかどうか、で判断。
次に、どういうことをしたら、体に悪いのか、を医師に聞く。
どういう配慮をすれば、悪化しないで復帰できそうか、聞く。
(配慮とは、リハビリ等のこと)
その配慮が、会社で受け入れられるものかどうかを、判断。
例えば、
「週に1日程度の勤務なら、可能ですね〜」とか、
「夕方2時間勤務を、半年ほど続けてみて下さい」と医師に言われて、
そのまま受け入れる企業があるでしょうか。
「電話は取らせないで」
「営業はさせないで」
で、会社が回るでしょうか。
では、週に3日ならいいのか。
テレアポ営業ならいいのか。
ここです!
まず、どの程度の業務が可能なら、
(どの程度の「配慮」なら)
会社は受け入れるのか、という基準を、
「具体的に」持っておくことです。
不調者を受け入れる職場を考えてください。
想像以上に混乱が起きます。
上司は、医者でもカウンセラーでもありませんので、
過大な期待を寄せても、何もできません。
復帰後、病気が悪くなる可能性が無いかどうか、
医師に聞くのは、安全配慮義務に大きく関係します。
それを、主治医に突きつければ、ウソは言わないはずです。
上記の条件をクリアできる規程、帳票、マニュアルを用意し、
万全の態勢で復職判定したいと思ったら・・・
ぜひ、「休職規程」や「復職プログラム」等のセミナーにご参加ください。
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今日のこのコラムを読んで、地動説と天動説ほどの
違いを感じた方も、少なくないかも。
しかし、不調者一人ひとりの病状に合わせた
受け入れ態勢を考え続ける限り、
あなたの会社から、トラブルが無くなる日は、
来ないと思ったほうが賢明です。