ダイバーシティ=多様性ということで、
企業においては、ありとあらゆる人、つまり健常者/障がい者、男性/女性、
若年層/高齢者、日本人/外国人等が、
ありとあらゆる働き方、つまりオフィスで、在宅で、サテライトで、ノマドで、
子育てしながら、介護しながら、等々を受け入れる、
ということのようです。
多様性というのは、ほとんど経験したことがありません。
「和をもって尊しとなす」が基本ですから、
強く自己主張したり、
相手に自分をわかってもらう努力などは、しようとしません。
多様性というのは、また「個」を重んじる考え方でもあります。
日本では、同じようなものの考え方、
同じような生活様式と文化、
そういう人たちが同じような働き方をしてきた。
しかし、ここにきて、グローバル化の波と共に
否応なしに多様性を求められ、
日本人、日本企業は、目を白黒させているところです。
まあ、若い方達を中心に、
(子育てなんかでも)
「ナンバーワンじゃなくても、オンリーワンでいいんだよ」
という風潮が出てきましたけど。
今までの日本は、みな似たような考え方でしたので、
「言わなくてもわかってるよね!」というのが当たり前。
しかしどうでしょう。
上記のような、ありとあらゆる人が、
ありとあらゆる働き方で生産性も向上させるとなると、
一定のルールを設けなくては、
とんでもないことになりますよね。
交通ルールにしたって、右側通行と左側通行の国があるくらいなのです。
「これは赤ですよね」と言っても
「え、私にはオレンジに見える」
「ぼくには、ピンクだな」というふうに違いがあるしょう。
それどころか、「これは青かも・・・?」という人も。
そうです、ダイバーシティと引き換えに
企業が受け入れなくてはならないのは、「ルール作り」なのです。
これを、不調者対応やハラスメント対策に当てはめてみると・・・
人種や性別、国籍、年齢層などの違いがあれば、
ものの受け取り方なんて千差万別です。
そのような人たちを、一つの「企業」というところに
放り込めばどうなるか。
たちまちぶつかり合い、戸惑い、交通渋滞が起き、
生産性どころではなくなります。
ですから、これから日本企業では、
いままであまり得意でなかった「ルール作り」を
積極的に行い、無かったルールは作り、
あいまいなものはハッキリ明記する必要がでてきました。
当社の顧客に、なぜ創立50周年以上の企業が多いのか・・・
それは、もうお分かりでしょう。
「言わなくてもわかる」文化が長く支配してきたので、
新しいリスクであるメンタル不調者の取り扱いや
ハラスメント事案などに対応するルールが無いのです。
そこでわが社の出番!となるわけですが、
ベンチャー企業からは、ほとんど問い合わせがありません。
その理由は、年令や考え方が近い人たちが
集まって会社を立ち上げるわけですし、
年令的にも若いので個を尊重したり、
「多様性」を受け入れたりするる文化がありますので、
労使の紛争などは少ないようです。
(その代り、過重労働はひどい場合がありますが・・・)
昔、「校則の無いのがいい学校」と言われた時期もありましたが、
それは、皆が同じ価値観を持っている場合に限られる、という事です。
笛吹けど踊らず・・・というダイバーシティにならないためにも、
社内の方針やルールを、もう少しはっきり発信しましょう。
「そんなことまで決めなくても・・・」と思う方もいらっしゃるかも
しれませんが、言われないとわからない、という方々が、
もうほら、すぐそこまで来ているのです。
待ったなしなんですよ!