ハラスメントが増加する理由

今年も厚労省から、「個別労働紛争解決制度の施行状況」が
発表されました。

この調査は、国が提供する「個別労働紛争解決制度」の
利用状況をまとめたものです。

この制度は、労働者と事業主の間の
労働条件や職場環境などをめぐるトラブルを
解決するための制度です。

まず、国に寄せられる相談の総数は、110万4,758件。
その中で、民事上の個別労働紛争
(ハラスメントなどは、これに含まれます)が25万3,005件。

予想通りというか、
残念ながらというか、
今年もやっぱり「いじめ」がトップ。

なんと6年連続だそうです。
こういう統計を、バカにしないほうがいいですよ。

膨大なサンプル数を持つ厚労省の統計は
相似形が自社の実態である、と捉えても
間違っていないと思います。

正常化バイアスを働かせて
「まあ、うちは大きな問題には、ならないはず。」
なんて考えないほうがいいです。

大きな問題になったら、企業は終わり。
大きな問題になる前に、ルールを作り
全従業員に対して、啓発活動を行うのが
正しい安全配慮の表し方です。

さて、それにしても、どうしてこんなに
いじめ・嫌がらせの相談が増えつづけるのでしょう。

それは、個性や多様性を認める社会になり、
いろいろな価値観を持つ人が、
ひとつの職場にいるようになったことに加え、

労働者の権利意識も向上したことが
ハラスメント増加の一つの原因と思われます。

当然のことながら、
個性の尊重や、多様性は悪い事ではありません。

私は、個人の変化に、企業が追い付いてない気がします。
個人は、それぞれスマホを活用し、
思い思いの趣味嗜好の中で、暮らしています。

職業の選択、働き方の選択も、本当にそれぞれです。

それに対して企業は、昔の制度のまま。
評価も、ルールも、考え方も・・・。
そんなこと、ありませんか?御社では。

このちぐはぐさが、ハラスメントの訴えとして
(実際にハラスメントかどうかは別として)
増加しているのではなかろうか、と私は考えるわけです。

社内の色々な制度変更や意識付けを、
もっともっとドラスティックに実施せねば、

いつまでたってもハラスメントの訴え
(何度もいいますが、行為者側はいじめるつもりがなくても、
そう感じる人が多い行為)は減らない、
つまり件数自体は減らないと思います。

いかがでしょうか。

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