相談は、待ってちゃダメ

先週も、老人の交通事故と幼児虐待のニュースが相次ぎましたね。
とくに幼児虐待に関しては、児童相談所の対応について
専門家があれこれコメントしておりました。

そもそも相談所、と言うからには
相談を受け付ける機能が充実しているはずなんですが、
職員の定着率悪化に加えて、教育もできておらず、
親への対応方法も、すこぶる不安な感じです。

また、相談というのは待っていても来るわけじゃありません。
私たちは、相談というと、なぜか一方的な関係を
思い浮かべます。
相談したい人と、それを待ってる人。

でも、よく考えると相談という字は、
相(あい)談ずると書きますよね。
双方が話し合って、何かを解決する、というのが本筋です。
辞書を引いたって、そう書いてある。

しかしながら、人に言いづらい悩みを持った人は
なかなか「相(あい)談ずる」のは難しいかもしれませんね。

そんな時こそ、
「この人、何か言いづらい課題を持ってるんじゃないか。」という
勘のようなものが大切になってきます。

それは何も、児童相談所の職員である必要はないのです。
隣のおばちゃんでも、机を並べた同僚でもいいのです。

先月、私のクライアント企業で、こんなことがありましした。
ビルメン会社で、警備員さん(63才)が階段から足を踏み外して
大怪我をした。
救急から連絡を受けた総務の人が、彼のために
私物を届けようと思って、ロッカーを開けたら・・・

ガラガラ、ガッシャーン!と、転がり出てきたのは
大量の缶酎ハイの空き缶。。。
そう、お酒を飲んで勤務していたのです。
その量が過ぎて、足元がふらついたんでしょうね。

仕事が終わると夜飲んで、
朝来るときに、またコンビニで缶チューハイを買ってくる。
会社の空き缶入れには、到底入れられないから
ロッカーに隠していたのです。
これはもう、完全な依存症~中毒です。

ここで私が言いたいのは、
どうして、彼がそんなになるまで、誰ひとりとして
「どうしたの?」「なんかあった?」「大丈夫?」
という声をかけてあげられなかったのか、ということ。

ここ最近、口数が減ってふさぎ込んでる様子だったかもしれない。
一緒に着替えていて、お酒臭いのは知っていたかもしれない。
ふらふらしてて何か変だな、と感じたかもしれない。

その時、一言声をかけていれば、大けがは防げたかもしれないし、
彼を、依存症の治療に向かわせることができたかもしれない。
深読みすれば、彼がアルコールに走る原因にもリーチできたかもしれない。

しかし、本当に残念なことに、
彼は、重大なコンプライアンス違反を犯したとして、
懲戒免職になったのでした。。。

やりきれない出来事でした。

困りごとって、基本的には相談しづらいこと。
周囲の人にたいして、何か変だな、と思ったら
どうか、先回りして声をかけてください。
何でもなければ、それでいいんですから。

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