従業員の方が、労災事故で死傷した場合、国の労災保険では、慰謝料や逸失利益などは支払われません。そこで、流れとしては本人や遺族から損害賠償を求められる場合が増えてきました。
それに備えた保険が、使用者賠償責任保険です。裁判上、裁判外において、民法上の賠償責任があると認められた場合は、保険金を受け取ることができます。
そして、その保険金を慰謝料などに充てることができます。最近では、うつ病による自殺、過労による脳卒中、心筋梗塞などが労災と認められるケースが激増しています。(5年間で3倍)
高額な慰謝料なども、ニュースで目にすることが増えてきました。働き盛りのサラリーマンで、一家の家計を支える立場の方が亡くなると、35歳くらいで7000万円程度の賠償金も珍しくありません。社名が公開される場合も少なくないので、皆さんも新聞などで目にしたことがあると思います。
中小企業であれば、利益からそんな大金を支払ったら倒産の危機に瀕するでしょう。おまけに賠償金というのは、どこの金融機関も融資しないのが普通です。
(返済の見込みが乏しいため)そんな時に備えて、大企業はほとんどこの保険に加入しています。今一度、ご自分の会社が加入しているかどうかすぐに調べてみてください。
万全の予防+事故時の対応も用意しておく、これがリスクマネジメントです。