産業医は、フルタイムで雇用する場合を除いて、月に1,2度訪問して下さるスタイルになると思われますが、一回の滞在時間は、長くて半日でしょう。その中で、何をして頂いていますか?
先ず行うのが、前月の長時間残業者の面談です。これは、時間管理しておけば必ず引っかかりますので、50時間以上が3カ月連続、70時間以上が2カ月連続、
100時間超えは、1ヶ月で・・・など、複数のバーを設けて、必ず医師面談して頂きましょう。
長時間残業が多くて、ドクターの時間切れになってしまう企業は、折衷案として、あらかじめ問診票を用意し、長時間労働者に、記入してもらいます。その結果によって、かなりの疲労度が見られたら、ドクターと面談、というふうに絞り込むといいでしょう。この問診票はドクターと相談して作り、人事・労務部門でも絞り込みができるようにしておけばドクターの負担を減らすことができます。
次に行うのは、定期健康診断の事後措置としての面談です。これは、定期健診後3カ月以内に行うこと、とされていますので、健診後は忙しいですね。厚労省によれば、受診者の半数は何らかの所見が出るそうです。例えば、1,000名受診すれば500名。その500名の健診結果票を、ドクターがリスクごとに仕分けします。
そして、面談が必要と思われた人は、産業医が面談します。その際、色々な指導をしてもらうわけです。
上記2種類の面談は、法定です。これを怠れば、『安全配慮に欠けている』と見なされ、万が一の労災事故の際、企業側が極めて不利になります。ですから、普段の健康相談やメンタル相談はできれば、外部の相談機関にゆだね、時間制限のある産業医は、上記2種類の面談を中心に行って頂きましょう。