ハラスメント防止は、下記の4つであることは前回述べました。
1.ハラスメントに関わる規程やルールを整備する
2.社内調査を行う
3.相談窓口を設置する
4.研修を行う
前回から4回にわたって、一つ一つ解説して行きます。
本日は、2回目で、社内調査について。
皆さまの会社では、
ハラスメントに関する社内調査をされていますか?
社内調査と言っても、
問題が起きた後の調査ではなく、
定期的に行う、社員向けのアンケート調査のことです。
え、してない?
どうしてでしょうか。
社内に無用の動揺を招きたくない、とか
色々後ろ向きな理由をおっしゃる方がいますが、
そういう調査をするということは、
社内でハラスメントがあるということだ、と思わせるより、
そういう調査をするということは、
社内にハラスメントを許さないという姿勢の表れだ、
と思わせるような演出をすればいいのです。
これはメンタルチェックテストにも同様のことが言えます。
よく、テストを勧めると
いやいや、そういうことをすると、
社員が会社に不信感を持つかもしれないから・・・・
なんておっしゃる方がいますが、
賛成できませんね。
社員の身元調査をするのではなく、
一次予防、二次予防の一環として行なう、
という演出をしていきましょう。
さて、ハラスメントに関する社内アンケート調査ですが、
これによって何が得られるか。
もちろん、現在起こっているハラスメントの実態を
つかむことも可能ですが、
それ以上に、社員の意識を知ることが大切です。
ハラスメントに対する知識、意識が
どの程度のものか。
倫理観や愛社精神は、どの程度のものか。
やはりそういったものが低レベルの会社では、
ハラスメント等も見過ごされがちなのです。
また、ハラスメント防止に関して、
会社にどのようなことを求めているのか。
これらを知るのは非常に大切です。
これらは、研修の内容を組み立てる時に必要となるのは
言うまでもありませんが、
それ以上に、ハラスメントの被害者となった場合の
社員の行動(労基署に相談する、訴訟を起こす)を
知ることが可能なのです。
調査は匿名でよく、
なるべく100%の提出率を目指しましょう。
現在起こっていることを聞くのにばかり注力せず、
普段の社員の物の考え方をあぶり出すような
アンケート内容を工夫しましょう。
ハラスメントは、コミュニケーション不全が原因だと言われていますが、
それは、セクハラやパワハラがメインです。
その他の嫌がらせやいじめ(モラル・ハラスメント=モラハラ)は、
人権擁護に対する理解が不足して起こることも少なくありません。
ハラスメント防止と一口に言いますが、
従業員の、帰属意識、愛社精神、倫理観、知識等をまず知ってから
研修や、標語、相談窓口設置などに役立てていきましょう。
理想的な質問内容のアンケート調査は、
なかなか市販の物では見つからないと思います。
信用できる調査会社を選んで、
アドバイスを受けながら、一緒に作っていくのが一番いいと思います。