今日は、セクハラについて書きます。
すでにご存じのとおり、
セクハラとは、相手が望まないのに、
職場にふさわしくない性的な言動で、
相手ばかりか、職場全体に悪影響を与える、
とんでもない行為、という位置づけです。
均等法第11条で、企業の防止義務が
厳しく定めらたのは、記憶に新しいところでしょう。
最近、パワハラに関するお問い合わせの増加などから、
もはやセクハラは、職場から撲滅されたのかしら、
などと考えていたのですが、
それが大間違いだと気付いたのは、
最近立て続けに持ち込まれた、
セクハラによるトラブル相談です。
その中の一つをご紹介しましょう。
ある企業で、女性がセクハラ相談をしてきました。
上司が無理やり自分に
関係を迫ってきたというのです。
相談を受けた人事担当者は、首をひねりました。
行為者とされる部長は、温厚で、仕事もよくでき、
社内では、「お父さん」的な存在だったからです。
そんな人が、セクハラするなんて・・・?
相談者の女性から話を聞いてみると、
最近、恋人と別れて元気をなくしていたところ、
部長から何度もしつこく食事に誘われ、
それを断ると、大変機嫌を損ね、
些細な仕事上のミスでも
きつく叱責されるようになった、とのこと。
それは一度ではなく、
何度も繰り返されたとのことでした。
今度は、部長から話を聞いてみると、
彼女が恋人と別れたことで元気を失い、
仕事にも支障が出ているようなので、
慰めて、元気付けてあげよう、と考えて誘った、
とのこと。
部長は、上司の自分が誘うんのだから、
断るなんて、生意気、という前提があって、
気分を害してしまったようです。
部長には、エッチな下心など、
毛ほどもなかったのです!
それなのに・・・セクハラ相談されるなんて。
いかがでしょうか。
むずかしいですね。
彼女は、私生活のことで
仕事の能率を落としているのですから、
それは確かによくありません。
慰めて、元気づけてあげるのもいいでしょう。
しかし、2人きりで食事をしながら、
というのが、彼女を警戒させ、
何度も誘うことによって、不快にさせていることに
気付かなくてはなりません。
そして、何度も上司の誘いを断ることが、
いかに部下にとって負担か・・・。
日本の企業文化においては、
公私ともに、部下は上司の依頼や誘いを
断りづらいものです。
そこに思い至らない上司は、
ハラスメント疑惑で、通報されても
仕方ありませんね。
これは、親切の押し売りが、
ハラスメントになってしまった、という事例ですが、
相手の立場に立って考えることが、
自分でできる、第一の予防と言えるでしょう。
さて、企業としては、
いったいどう取り組めばよいのでしょうか。
私のところに寄せられる相談は、
大体下記のようなものに集約されます。
1.経営層に危機感がなくて、対策の予算がとれない
2.管理職に研修すると、逆に萎縮させるのではないか
3.実際、相談が持ち込まれた時のマニュアルが無い
もし、このような悩みをお持ちでしたら、
ぜひ弊社のセミナーにいらしてみて下さい。