復職プログラムは、なぜ必要?

どこの企業にも、メンタル不調者は存在し、
その人が休職して、また会社に出てくることがあります。

その一連の流れを標準化し、
人事・労務の中でマニュアル化され、
だれが扱っても、ほぼ同じように進められるように明文化する。

そう、それが「復職プログラム」です。

復職プログラムというと、
どこかにお手本が売っているようなきがしますが、
さにあらず。

これは、各企業が、それぞれに考えて作るものなのです。

とはいっても、お手本と言えるものが無いわけではない。
それが、厚労省の作成した、「手引き」です。

正式名は、

「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」

と言います。長いですね。

ただこれは、非常に分厚く、
かつ内容的にも、人・モノ、カネが潤沢にある大企業を想定して
書かれているような印象を受けますので、
一生懸命これを研究して、自社に応用しようとしても、難しい、
という声をよく聞きます。

そもそも、復職プログラムを作る理由はなんでしょうか。
私は、4つくらいの理由があるんじゃないかと考えます。

1.不調者が、安心して休職~復職までのステップを過ごせるように
2.産業医に、きちんと協力してもらえるように
3.人事・労務の人が戸惑わないように
4.紛争リスクを最小化するために

1は、わかりますよね。
不調者は、休みに入るときに、自分がこれからどうなるのか、
収入は?休み中の保険は?
復職の基準は?復帰後の異動は?など
様々な不安を抱えています。それを軽減するため。

2.特に復職の判断には、産業医の助言が欠かせませんが、
それまでの経緯がわからなければ、産業医も助言のしようがありません。
休職に入るまでの様子、入ってからの情報収集(主治医や本人から)
があって、初めて助言できるのです。
会社のルールに沿って動いていただきます。

3.会社ですので異動はつきもの。
属人的にならないためにも、マニュアルは必要です。
だれが見ても、初めて扱っても、ある一定レベルの仕事ができるように
標準化しておきます。

4.ルール不在だと、不調者が、
「自分だけが不利な扱いを受けているのでは?」などと
疑念を持つ場合がります。
だれでも、具合の悪い時にはネガティヴな思考になってしまうもの。
そうなれば、犯人探しが始まり、「会社や上司を訴えてやる!」という
人がいても、不思議はありません。
そのリスクを最小化するためにも、明確なルール作りが必須なのです。

いかがでしょうか。
復職プログラムの大切さを、ご理解いただけましたでしょうか?

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