使うテストは、企業が決めていいという事を。
労働安全衛生規則第52条の9によると、
今回の制度で使用するテストは、
1.職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目
2.当該労働者の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目
3.職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目
の3つが必ず含まれていなければならない、とのことです。
あとは自由に決めてもいい、ってことです。
もちろん科学的根拠がないようなものや、
うつ病のスクリーニングをするものなどは制限されていますが。
上記の3点以外には、
質問の数の指定も無ければ、
例の57問の「職業性ストレス簡易調査票」を使え
という文言もありません。
ただ、国として、
まったく初めての企業が「何をしていいのか・・・」
という事にならないように、
「職業性ストレス簡易調査票が望ましい」としただけのことです。
ですから、皆さんの会社では、
衛生委員会で審議の上、
自由に項目を決定することができます。
(上記の3つが入っていて、禁止事項に触れなければ、です)
ここまで、いいでしょうか。
次に、「職業性ストレス簡易調査票」の落とし穴について。
皆さん、感覚的にご存知かと思いますが、
人の悩みは、仕事場で起きることにのみ
起因するものではありませんよね。
個人生活でのストレス要因、
つまり、育児・介護・借金・夫婦問題・恋愛・・・等々
会社に相談しても仕方ない問題の数々。
57問には、肝心のそうした質問が含まれていない。
まあ、その名の通り「職業性ストレス調査票」ですからね。
また、本人のストレス対応力のチェックも
とても大切なのに、それが含まれていない。
本当に「簡易」調査票ですよ。
なぜ、ストレス対応力の測定が大事なのかって?
それは、今回、厚労省がこの制度の一番の目的としている
「一次予防・セルフケア」につながるからです。
ストレスにやられないためには、
心理的な負担の原因をきちんと理解し、
自分の対応力のレベルを把握し、弱いならば強化する、
という一連の動きが必要なのに、
厚労省の推奨版だと、不足しています。
ですから、皆さん、早まらないで!
テスト選びも慎重にしましょうよ。
まだまだ時間はあるんですから。
いま、当社では、企業がストレスチェック制度を
間違いなく、効率よく進めるための支援プログラムを
鋭意開発中!乞うご期待ね(*^_^*)