今日、ある産業医の知人とランチしていたのですが、
そのドクターが面白い表現をしてましたね。
彼:「クリニックに10年も通ってて、食べるほど薬飲んでて、
全然治らない人がいるでしょう。あれってね、治ることを他人任せに考えている
人なんじゃないかと思うんだ」
ワタシ:「え、病気はお医者さんが治してくれるものなんじゃないの?」
彼:「うーん。まあそうなんだけど、治す、んじゃなくて、治る、んじゃないのかな」
なんだか、言葉遊びのようですが、
彼の理論は、それはそれで、うなづくべきところがあるのでした。
彼の考えによると、うつ病に限らず、あらゆる病気というのは、
患者本人の「治すんだ」、「治るんだ」という意思なくしては無理だ、というのです。
病気を治す、ということを一つのプロジェクトに見立てて、そのプロジェクトリーダーは、患者本人であるというのです。家族、医師、職場の仲間などは、プロジェクトの達成(病気が治ること)に必要な人たちですが、あくまでもプロジェクトメンバーであって、方針を立てて、みんなを引っ張っていくプロジェクトリーダーは、あくまでも患者本人だというのです。
なるほど・・・。
ですから、とくにうつ病はそうなんでしょうけど、まずは考え方を変えないと無理ということなんでしょうね。復職前のリワークで、上手に認知行動療法などを受けた方は、やはり復帰後の再発リスクが低いそうです。その反面、まったく復職に企業や産業医がノータッチで、薬ばかり出す主治医任せにしていた場合は、再発リスクが高まる、ということを彼は経験的に知っているそうです。
なかなか示唆に富んだ話です。
みなさん、いかがでしょうか。