遠藤:当社は、国内に7社のグループ会社があり、それぞれが現場主義を大切にし、独自の文化を醸成しながら成長してきたという歴史があります。従って人事労務政策は、基本的に各関係会社で実施していますが、当社はリーダー企業として、専門部署がない会社の支援や、労働組合との協議を代表して行う、といった役割も担っています。
谷川:まあ、独自の文化と言えば聞こえはいいのですが、メンタルヘルス対策/ハラスメント対策などに関してはかなりの温度差があった、というのが事実です。私の前任者が根岸さんと面識があり、「メンタルヘルス対策に取り組むのであれば、一度会ってみるといいですよ。」と言われて根岸さんと面談したのが最初の出会いでした。しかし、うちはそんなに不調者が多いという事も無かったし、まあ、専用の規程などは無いものの、大きなトラブルの経験もなかったため、根岸さんからルールの重要性を聞いた時にも、正直せっぱつまった感じは受けませんでした。
遠藤:たしかに、メンタル不調者が出ても、それぞれの会社でバラバラの対応だったように記憶しています。現場で秘密扱いにしてしまい、産業医と相談して休ませたり、異動させたり・・・今思うと、リスクが大きかったかもしれないですね。当社に相談が来ればまだいいのですが、現場の判断で処理をして、思わぬ結果につながる可能性もありますから。